特養(特別養護老人ホーム)は、看護師に人気の高い職場の一つである。
看護師の仕事は看護業務であり、それは特養でも変わりない。ただし、病院やクリニックとは違う役割が求められることもあるので、事前に特養について基本的なことを押さえておこう。
まず、特養は、高齢者のなかでも要介護度3以上の人たちが長期間生活を送る施設であることを押さえておきたい。介護保険が適用される福祉施設で、要介護度が比較的高い人が多く、看護師の配置も法律で義務として決まっている。
看護師を24時間常駐させるほどではないので、基本的に看護師は夜勤が必要ないと思ってよいだろう。とはいえ、緊急時にはオンコールで呼び出されるため、特養なら夜間まったく仕事をしなくていいとは限らない。
特養にはおもに2つのスタイルがある。
従来からある「従来型」というスタイルがその一つで、個室もあるが4人部屋などの大部屋が多いのが特徴だ。居室や入居者ごとの担当が決まっているのではなく、看護師や介護士たちが何人かで協力して必要なサービスを提供するスタイルとなっている。
一方、2002年から制度化されたのが「ユニット型」というスタイルだ。
こちらは居室がすべて個室となっているのが特徴である。そのため、従来型とは違って居室ごとに担当スタッフが決まっており、施設全体というより個別に介護や看護サービスを提供するというイメージが強い。従来型より入居者のプライバシーに配慮した施設と言えるだろう。