特養(特別養護老人ホーム)に初めて転職したいのであれば、まず、特養ごとの違いを理解しておかなければならない。特養には、30名以上の入居者を有する広域型もあれば、看護師が1名で少人数の入居者に対応しなければならない地域密着型もあるからだ。

特養から特養への転職など、すでにこの種の施設での勤務経験があるのならよいが、たとえば「病院から特養へ」のように、特養で働くのがまったく初めてという場合は注意しなければならない。看護師が1名しかいない小規模施設だと、慣れない仕事に戸惑いながら、しかも、責任を一人で背負わなければならなくなるリスクがある。したがって、特養が初めてならば、看護師が複数人在籍する広域型の施設を選ぶ方が不安は少ないと言える。

また、施設全体では看護師が複数配置されている施設でも、フロア単位の配置人数も確認しておくべきだ。場合によっては、1フロアを看護師1名で対応しなければならないこともあるので、できれば1フロアに複数の看護師が働いている施設を選びたい。

さらに、求人票を見る際に誰しも気になるのが給与の額だが、事前に相場を調べておき、それと比べてどうかという視点で判断するようにしよう。誰でも給与は高い方がうれしいが、相場より大きく高い場合は何か理由があるはずだ。特養にはあまりない看護師の夜勤が必要な施設かもしれない。

特養の運営団体は社会福祉法人や地方公共団体が多いため、給与はしっかり支払われるだろう。働けば働けるだけ収入に反映されやすいのはメリットだが、意図しない夜勤をしなければならなくなるようなことのないように、事前にしっかりチェックしておきたいポイントだ。

これ以外の特養の情報も頭に入れて転職活動を行うと実際に働くイメージがつきやすいであろう。